熊の敷石 / 堀江敏幸

熊の敷石 / 堀江敏幸

洒落た文章だなあ

仏文勉強するとオサレになれるんですかね。

文庫で120ページ強の中編小説です、舞台はフランス
ユダヤ人、モンサンミッシェル、熊、盲目の息子、複雑です。

ファンタジーではないです。

文体がいいんですよ、以下抜粋します。
「低温殺菌したような頭皮が清潔な光を放っていた。」

これただ単に「ハゲてる」って言いたいんでしょうがやっぱり仏文勉強するとオサレになれるんですかね。

「本当の意味での公の怒りがないのとおなじで怒りや悲しみを不特定多数の同胞と分かち合うなんて、ある意味で美しい幻想にすぎない。痛みはまず個にとどまってこそ具現化するのだ。」
深いね、主人公の友人がユダヤについて語っている時の一節です。
そうだと思います、最近はニュースを見てもこう感じます。

ニュースに感じる違和感ってのはこんなとこから来るんじゃないかな

タイトルはフランスの寓話の言い回し、ですかね。
その寓話が表す内容は
「無知な友人ほど恐ろしい物はない。賢明な敵のほうがましである」

だそうですが…

1/12-14 1h20m